ジュリエットには甘いもの 前編/(罧原堤)
ものだ。だがもうなにこれ? こんないきなし、歯が痛くなってきた。痛い! アゴから痛い! 超いてえ! さっきイチゴなんかのショートケーキ食ったからか? 親知らずの最後の一本がいてえよ。超いてえよ!
イチゴなんて洒落たもの食った報いだ……
右アゴから頬にかけて痛いから……
何の脈略もないが、今だけはキミに会いたくない……
だって達磨が下に転がっててなんだか恥ずかしいし……」
地上に蠢いていたものが最初なんだかよくわからなかったのだが、もうそれがはっきりとわかった。達磨だ。達磨が転がっているんだ。その数は千をゆうに超えるだろう徐々に互いにぶつかり合いながらポンポンとだんだん高く男のほ
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