白日/salco
在は肉塊に堕ちた
夕陽が落ち、夜の毛布が降りかかる
彼はまだ眠っている 子供のように
ポケットに書きかけの手紙を入れたまま
命令
手紙をしまえよ、写真もしまえ
破かぬように優しく畳め
鼓動も収まるそのポケットへ
そして幾度目かのさよならを
砲声に目を見開いて
乾いた口を舌で濡らせ
間もなく敵はやって来る
お前のかあいい妹や
なんにも知らない弟の為
疲れ果てた父親や
弱々しく微笑む母の為
そしてお前の彼女の腹には
小さな指をくわえた息子や見知らぬ娘の
八十年があるのかも知れないが
そのようにお前の見知らぬ人々の為
進め、進め、一,二,
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