遠いかもしれない、未来のはなし。/チアーヌ
「カップルになって、一緒にずっと暮らした人たちがいたのよ、遠い昔、わたしとあなたの共通の祖先で」
「へえ、それはすごいね」
ユージは、なにごとにも動じることなく、穏やかであっさりした性格で、それこの時代にはとてもありふれていて、エリも普段は、そういった面が強く出るのです。
しかし、今のエリにはそれが少し不満に思えました。
エリは小さくため息をついて、話を続けました。
「わたし、最近、夢を見るのよ」
「どんな夢?」
「わたしとあなたが暮らしているの。とても不思議な風景の中。小さな子供が3人もいて、とても原始的な服を着て原始的な生活をしているわ。まだ電気やガスのエネルギーに頼っていた
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