保存しますか?/ホロウ・シカエルボク
 





虚ろな階層で
落ち窪んだ眼を見開いて
小鼻のあたりをうろつく
蜉蝣のような情熱を追いかけていた
窓には汚れがあり
隣人は頭がおかしかった
サイケデリック、を地で行くような
ねじまき時計の捉えかた
目覚めるべき時間だからこそ
そいつはけたたましく鳴るのです
……
慌てて飲みほした水は
水道管の中でぬるくなっていて
粗相ばかりの夏の遺伝子を
飲み込んだみたいでやりきれなかった
眉間に拳骨を当てるみたいな快晴
ノックアウトされた誰かの
最後の夢みたいに膨れた雲が寄り添っている
顔に水を当てるたびに
昨夜の夢の
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