ふぶけ量子力学のさくらたち/天野茂典
澪標
にそって
あ 渡ってゆこうよ
あら 腰まで浸かって
濡れて
しまうの
はしかたな
いとしりなが
ら黄泉の国へ桜
ふぶきのトンネル
を くぐりぬけてゆ
くために一肌ぬごうで
はないかそこは世界の裏
側だから秋もたけなわで落
ち葉がたかれたりしている車
でもいいじゃないか欅の街路を
踏んでタイヤの音をきしませるの
だタッチふれてみるのだ白い骨つぼ
母さんも年をとった父を見送って38
年さくらもちらないとしになってそれで
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