Forgiven white blood/しろう
 
が喉の奥まで迫り上がってきて、とてもじゃないがアレックスの声に応えることはできそうにない。かろうじて右腕の肘から先を挙げて親指を立てておいたが、果たして彼の目には映っただろうか。
仮にこの制圧作戦が失敗に終われば、私の骸は敵兵の晒し者にされるだろう。
ふと、ケンジが教えてくれた『業』の文字の姿態を脳裏に浮かべた。
私は戦線を駆け抜けるうち、数え切れない程の敵兵を殺めた。そのうちの何人かは少年兵/少女兵だった。声変わりさえ迎える前の年頃の、死を目前にした叫び声では、その判別は付かなかった。そうして私がどれほどの悲哀と憎悪を産み出してきたかは到底、想像の及ぶところではない。
私のworkで、私
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