辻褄/プテラノドン
たのは
永遠という煙草の煙だった。なんてことは馬鹿らしいし、どうだっていい。
僕はそのとき隣に居た、クモの巣に磔となっていた男に煙草を勧めて言った。
「生活は向上したのか?」
磔男は毅然とした態度を崩さず、きっちり煙草を吸い終えると
空間性のともなわない言葉の空虚さで満ち溢れた現実に対する
怒りをぶちまけた。小便といっしょに。で、僕は磔男と距離をとりながら、
―たとえどんなに家畜用のトラックが臭かろうが、うるさかろうが、
ニワトリを乗せた車が撒き散らす羽毛を眺めるのは悪くない、と言った。
磔男はいよいよ気に入らなかったのか、「お前もか!」と怒鳴り声を上げて、
ペッと唾を飛ばした
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