辻褄/プテラノドン
した。唾は空中でパッと広がりクモの巣になった。
その場から僕は逃げだした。しかし、家の外へ出た後も追いかけるように、
二階の窓からは唾が飛んできた。僕は体中にまとわりついていたクモの糸―
そこから数枚のメモを引きはがし―ピンクチラシよりも卑猥な言葉を
自分でもびっくりするくらいに大きな声で読み上げた。すると二階に居た
磔男は雷のような唸り声を出すや否や、ゲロを吐いた。それは見る見るうちに
雷雲に変化し、夕立となって辺り一帯に土砂降りの雨を降らしたが、
僕は目覚めたばかりだったので夕立というより朝立ちだった。
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