ボヘミアン/ホロウ・シカエルボク
 



脳天から血液を吹き上げる貨物列車の
積荷のひとつに俺は忍び込んだが
激しい振動に揺さぶられ続けて気を失った
振動と鈍痛のふたつの感触が交錯しながら
脳下垂体に直接描きつけられた夢の成りたちは
俺が一番忌嫌う祭のような逃場のない暢気だった
木の実になったような者たちの歌
木の実になったような者たちの声
夢から来る震えに歯の根を鳴らしながら
目覚めてすぐに停車した駅で俺は列車を抜け出した
そして明かりの当たらないところへ身を潜めた
貨物列車が行ってしまうと欺瞞的な
しかし確実な静寂が濡れ布巾のようにそこらにかぶさり
俺は様々なものが寄り集
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