アムール、あるいは愛の果て/耳野 亮
 

だ。     「愛とは“狂い”のようですね」 先生が
       朽ちた、校庭の樹を見て言った。


私はあ    希望、という言葉で蔓延した教室に
なたが    あなたのとろんとした瞳 溶ける、と思った。
好き、    間違いなく、緊張した時間があっても
だと思    あなたは蝶を誘う芳しい花弁のように
う。で    1人、咲き誇っていた
もこの    「愛とは、“狂い”のようですね」 先生が
手紙を    寂しそうにしていた、けど
あなた    狂った言葉は時々美しく、時々閃光のように
に見せ    《私》を痙攣させる。
ること    愛に旋律があるなら こぼれお
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