アムール、あるいは愛の果て/耳野 亮
れおちる音に
はない やさしく手をさしのべて 少しずつ所有しよう
でしょ 永遠の蜜
う。何
故なら
私は完 アムール
全にあ
なたを
所有で 羽ばたけない蝶は 蜜を吸って
きない 自分を癒すのか
から。 放課後の図書室は 1人でいるには
今は芳 ひどく 冷たく
しいあ ひどく 残酷だ
なたの 二度と開かれない本 のように
ままで この気持ちも
いてく ぬぐい切れたらいいのに
ださい 私は蝶に なりたいと思ってしまう
。いつ 人が悲しい姿は美しい
か羽化 ならば
して、 今の私は 美しい調べを奏でているのか
あなた ――
の元へ
。
涙が漏れた 青の罅
花瓶に透明な 花
標本に可憐な 蝶
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