アムール、あるいは愛の果て/耳野 亮
 
ぼくは    青の発生 図書室のいすに
きみが    手紙を置く 冷たい空気を抱く、金曜日
好きだ    be動詞で駆け抜けた週末 決壊する 私    
、と思    愛の行き先も知らず 自分のことだけ考えた
う。枯    「君を所有したいです」 僕が
れてし    そっと、初夏の雲を手のひらへ        
まった    テーブルの上に広がる コサイン、光、怠惰、
木々を    “ennui”のすぐ隣に君がいる
悲しむ    愛、と綴った《せかい》の端っこ 空間を埋める言葉
君がい
ればぼ    
くはそ           アムール    
れだけ
で十分  

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