畑の夏の昼/番田
男は、まさかりを担ぎながらその畑にやってきた。びっしりと、杉林がその向こうには生えている。茶色い魚が川には泳いでいる。目には畑が緑色の向こうに広がっている。男はまた、一本杉のところを曲がると、走り出した場所から戻ってきた。まさかりを捨てて、畑の上をトラクターに乗り換えると、男はスピードを上げて縦横無尽に走り回っている。それによって、小さな石を投げて子供たちをしとめようとしている。包み紙の銀色の、そのひとつを木陰で手にとって、じっとほどいた。一つ目は梅干し、二つ目は高菜、三つ目のそこには何も入っていなかった。男の持ってきたリュックサックが川にひとつあって、いくつか男のおにぎりが中に入っていた。その銀
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