畑の夏の昼/番田
の銀色が水位を少しづつじっくりと増していくと、子供は眠りに落ちているのかもしれなかった。雨が、水筒に入っている水を飲んでいると微かに空から降り出した。少し男は目を閉じた。男は網を置いたままそこからどこかに行ってしまった。目を少し閉じたままの姿勢でしばらく動かなかった。バシャ、という音がした繁みで男はひとりやっと目を覚ますと、トラクターに隠してあったブルーシートを音のところに広げてかけた。ブラックバスが川面を伝いだすと、じっとまさかりに控えていた何匹かの蛇の餌食になっている。来た道を、産卵をするそこにねじこんで、帰っていった。
戻る 編 削 Point(3)