めぐりのうた/木立 悟
臥している
五億年前でいる
水の先の水でいる
羽の生きものが
羽を差し出す
行き場も無く
骨で居る
地層の波を
越えてゆく
震えおさえる
風の指で居る
はじまりの星
青い星
聞こえない警告の
鳴り止まぬ径
水の闇の径
毛をかすめ
景はすぎる
閉じる間もなく
目水に映る
罰は罰に鳴る
罰は罰を踏む
棄てられた街
指の腹
路なぞる路
時さかのぼる
白い花
三や四に追いつけぬ無限を
幾度も見てきた
地使や水使や
終わりの銀河の
うたを聴いた
七つ数えて
倒れ臥して
毒を息して
筆
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