逆創世記/高梁サトル
 
{引用=
「おはよう、
せっせとお弁当箱に昼食を詰める
この世界のなんらかに収まりなさいと
話しかけてくる忙しげな背中
通学路に捨てられた雑誌には
艶びかりする牡牛の角と蛙の屍
女の子の背負うランドセルの色は
衝動を掻き立てる赤でした

「ごきげんよう、
仁王立ちする異人さんに
捕まらぬよう
走りぬけ
光の射さない四角い部屋で
23分間の奇跡を待ちます

「いただきます、
死んだ牡牛の肉片を口に運べば
みるみる干上がる舌の上
清らかさ正しさ美しさは隊列を作って
食堂の先の赤の広場で
分解されて
吸収されて
必要のない藻屑はみな
排出される仕組みです
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