しみ/有末
とき希薄さから逃れられない。
鉄棒は縦の文字列ではなくその脇の空白なのではないか、それ以上を許さないのはその沈黙によってなのではないか。だから実際と私が呼ぶ世界のなかで、私が手を伸ばすのは美しい姉にであり、諦めに染まった陰鬱な視線を感じることすらできないはずなのだ。でも私は、救いたい。彼女を。
救いたい?大袈裟な言葉だ。偽善だ。私はただ媚を売りたいだけなのだ。この世界から私を突き落とす一人の女に。忌々しいあの目!!まるで打ち捨てられた老犬みたいな!!
翻るスカートの裾に目眩を覚える。凡庸さは私を幸せにする第一条件なのだ。暗さなど知りもしないように日向で微笑み合うべきだ。
彼
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