それはガラスのような音がしているけれどもガラスではない/渡邉建志
。オンドマルトノとヴィブラフォンの不安定でいて安定した丸いヴィブラート。エヴァンジェリストが話すとき、うしろに流れる星空のようなユニゾン。ひとびとによって曖昧に信じられているということは、ものがたりが作られる以前から信じられる素地があったということ。それは素地だからマールで海であいまい。集合的無意識と繋がれること。ま。
+
そこに死があるけれども、かつての青春の真っ只中の死ほど吹きすさんではいない
+
星の光は注がれる。安らかに寝ている、星の息子たちに。温かい繭に包まれた、息子たちの微笑みの上に。ゆっくりとした鼓動が、光の律動が、透過する遍在の愛が、遠い宇宙
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)