それはガラスのような音がしているけれどもガラスではない/渡邉建志
宇宙から、あるいはかいばおけの真上から、バスケットボールと同じいろとかたちの月から、なみなみと注がれる。
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音には力がある。あるいは恐ろしい、あるいは優しい。筋や論理のいちばん底にある公理のようなもの自体を、われわれは疑いながら進んでいるので、繰り返すしかない。そのとき筋や論理はそんなには走らないのだとおもう。公理のそれらしさは、結局感覚でしかない。平行線はほんとうに交わらなかったのだろうか。はなればなれの人と、何の根拠もない、愛し合っているという確信を、人はどうして持ち続けられるのだろうか。
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