それはガラスのような音がしているけれどもガラスではない/渡邉建志
 
の一としてのみどりこをみることができる。一であればみどりこであるし、ゼロであればない。であって、ない。すべての存在のうしろに、透過性のみどりこがいて、濃かったり薄かったりしながらいきをしている。死にながらいきをしている。





それはガラスのような音がしているけれどもガラスではない。それはとてもガラスのような音がしているけれどもガラスではないので割れない。それはガラスのような音がしているけれどもガラスではないので砕け散らない。それはガラスではなくガラスのような光を放っているけれども、触れることはできない。それはガラスではなく光である。ガラスのような光を放っている光そのものであるよ
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