朝になって読み返せばきっと頭を掻きむしる、しかし本心/一 二
隣りにある
あなたの細やかな
可愛い手を優しく取って
眼を瞑って静かに
あなたの手の甲に接吻する…
あなたのたおやかな眼差しに
そっと心を合わせてゆく
身体は海の彼方の
無数の波しぶきと一つになって
荘厳な天上の歌声は
紅の波涛に重なって響いてゆく
私のそばで少女は
輝く光の姿を
大いなる畏敬とともに現し
我が胸の開かれた中へと
飛び込んでくる…
なんという歓喜
愛するあなたの暖かさ
歓びを超えた感情が
身体を溶かして
世界を充たす
白い薄絹を纏ったあなたは
そっとつまびやかに
優しく恵みを与え
私はあなたの残響となり
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