雨の音がメトロノームみたいに聞こえる/ホロウ・シカエルボク
 
らい執拗に焼いてくれ
真っ白な骨など残したくはない
恥ずかしい姿など曝したくない
書ける限りのものを代わりに残しておくから
俺の身体はなかったことにしておくれ
俺じゃないものを使って
俺の墓標をこしらえるのはどうかよしておくれ
何を言ったって駄目だぜ
使い方を知らない言葉なんて
それは下手な鉄砲みたいなもんだ
知ってるか
下手な鉄砲なんて
数撃ったって絶対に当たらないんだぜ
狙い方を知ってるやつじゃなければ絶対に当てることが出来ないんだ
よう先生、先生!俺を焼くときには
骨も残らないくらいに徹底的に
骨も残らないくらいに徹底的に焼いておくれよ
何も知らない恥ずかし
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