雨の音がメトロノームみたいに聞こえる/ホロウ・シカエルボク
かしさなんて曝したくはないんだ
それは俺の残像よりもたちの悪いものだ
俺はそんなものをわざわざ受け入れたくはないのだ
あとは最後しかない人生を
受け入れて暮らしてきたんだななんて思われたくないのさ
駄目だぜ、駄目だぜ、駄目だぜ、駄目すぎる
そんな言葉じゃどんな心にも切り込めたりなんかしない
いちから積み上げた言葉でなくっちゃあ
お前の心で積み上げた言葉でなくっちゃあさぁ
雨の音が聞こえるんだ
メトロノームみたいに聞こえるんだ
先生、せんせい、判るかい
メトロノームみたいに聞こえるんだよ、雨が、雨の音が、俺の耳には
時間には終わりがあるんだって言ってるみたいに聞こえる
俺
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