雨の音がメトロノームみたいに聞こえる/ホロウ・シカエルボク
ずさ
お前には見ることの出来る
目というものがまるでないのだ
初めから自分で
積み上げてこなかったせいさ
あてがわれたものを鵜呑みにし続けてきた
お前はただの白痴だからだ
だらしなく開いた
唇のはしが拍車をかける
素手で思いっきり引き裂いてやろうか?
お前はよく居る阿呆に過ぎないんだぜ
牙もないくせに
誰かに噛みつこうなんて考えない方がいい
守られてくることしか
覚えてこなかったくせに
お前に成し遂げられることなんて何もないのさ
ルーティンワークの末に
火葬場で骨になるのがオチだ
汚れたことのない真っ白な骨にさ
よう先生、俺を焼くときには
骨も残らないくらい
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