まずまず/ホロウ・シカエルボク
慮深げにゆっくりと首を前に傾けるせいだ…高いところにのぼればさぞかしいろいろなものが見えることだろう、それを楽しいと思えるなら果てしなく飛び続ければいい、だけどもしも悲しいことだと感じているのだとしたら、いっそのこと羽のことなんか忘れて地面を歩くことを考えてみちゃどうだい?俺はそう提案してみたが奴らはそのプランにまったく関心を示さなかった、俺は少し忌々しい気分になったが、それもまあ仕方のないことだと思い直した、俺と奴らじゃ見てきたものがあまりにも違いすぎるのだ…奴らが生態的に、肉体的に感じる痛みを、俺は精神的に受け止めているのだから…傷の見えない痛みは野生の範疇には入らない、きっと奴らはそんな風に
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