とうとう聖痕を得てしまった僕の友達について/真島正人
 
離脱した皮膚の組織が……

君はその、

もっと、
たくさんのものを捨てていくべきだった
皮膚が

更新され
捨て駒のように

切り離すように
君自身ももっと

もっと

たくさんの君の
内側に
潜むものをさ



ここから
ここまでと
線引きをして

そこから
好きな場所を覗く望遠鏡が
欲しいけれども

どんな
古い町の
骨董品屋さんにも

置いてはいないよ

君があるものの形を
仮に
聖痕として受け止めたように

そこから幾滴か血が
形而上の出来事のように

流れ出たように

僕は僕なりの
あるものの
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