黒い猫は巨大な鳩時計を/ホロウ・シカエルボク
小さな扉をこじ開けたら何かドロリとしたいっそう臭いものが垂れ落ちた、脳味噌か…?
キッチンに立って朝食の準備をした、トーストと、バターと、コーヒー…そんなものにもすべて、あの黒猫のおしまいが染み着いていた、死とともに飲み込まれるフード、俺はそこにクラシックなムードを感じて、笑いながらだけど決してそれを壊さぬよう気をつけながらすべてを平らげた、貰い物の苺を口に放り込んで噛みしめたとき…得も言われぬ感覚が自分の中に芽生えたことが分かった
アナログ機器のあまいチューニングのような高い周波数の音が頭頂部の辺りできぃんと鳴り響いて、まるで射精のような感覚、俺はだらしなく口を開けてよだれを垂らしてしま
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