黒い猫は巨大な鳩時計を/ホロウ・シカエルボク
 
、これっぽっちも…夢のない眠りだったが押しつぶされそうな悲しみが枕元にあった気がする、確かにそんな眠りだった
乾いた血からは乾いた命の臭いがする、鳩時計の前に膝を突いてそいつを眺めていると奇妙なことに俺はそいつを落としたいという気持ちがあまりないことに気がついた、俺は鳩に尋ねようとしたが鳩はあれきり時を告げに飛び出してくることが無く…小さな扉の向こうでなにか譫言のようなものを口にしているだけだった
俺はとにかく気持ちの整理がつくまでそいつを片付けるのはよそうと思った、時間が経てば経つほどにそれは落ちにくくなるだろうと分かってはいたけれど…俺はもう一度鳩が出てこられるようにしようと思って小さ
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