メレンゲの恋/うめぜき
で花畑に降り立つようで
メレンゲはときめいた
やがて傘は一人ひとり男達を連れ去っていく
一人ひとり消えていった
ある男がいた
傘に入らずに、雨に濡れながら
石畳の路を北へと向かった
泥だらけで、屈強そうな男だ
雨に濡れながら
胸を張って歩いた
メレンゲはその男を眼で追った
美しく見えた
ポパイの足取りが力強い音楽に変わる
雨粒を弾いて
ポパイは全身でアダレの街を音楽で満たした
姿の良い
なんて姿の良い人だろうと
メレンゲは思った
それからメレンゲは毎日、鉱山夫を乗せた列車を出迎える
ポパイの姿を追った
ポパイはいつでも胸を張って
ある時は重
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