キム・ギドク監督 『サマリア』 〜〜ヨルノさんと詩を巡る旅 その2/ヨルノテガム
 
紅葉のある山の視点は 東洋的な神々の眼差しでもあると言える 人間は結局は孤立していく生き物であるが この主人公の少女は 父親に首を締められることなく 再びまだ見知らぬ他者の中で 関係を作っていくと思う。(誰かからの)生を願う希望を与えられ残され立ち往生しつつも 力強い人間の生命力を この若い少女に感じることができるのだ





少女たちは かくれんぼ する

匂い立つ花のように わらう

少女はひとりで くるくるまわって かくれんぼ する

もうひとりの少女は 相手もいないのに 飛び出て笑いかける

どちらかが いなくても ふたりとも いたとしても いなくても

[次のページ]
戻る   Point(3)