キム・ギドク監督 『サマリア』 〜〜ヨルノさんと詩を巡る旅 その2/ヨルノテガム
を備え、放心の中にも強さのような成長と変化の軌跡を見せてくれている
人間の関係とは付き合う隣りの人によって全く変化をもたらす 何人もの男と援助交際を重ねた後であっても 父親が巻いた太巻きを頬張る少女の顔は父親の前で 全くの子供顔であった
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亡くなった母親、ビミョーな高さから飛び落ちて亡くなった親友の少女、どこからか死の連鎖は始まり転がり出していくのだが 父親が男を死ぬほど殴ったり 別の男の自殺を牽引することになったりと 字面ではエゲツない展開なのであるが 全ては悪夢のようにも思える それは山々から主人公たちを見下ろす俯瞰の視点が最後に挟まれているからで 深い色合いの秋の紅葉
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