キム・ギドク監督 『サマリア』 〜〜ヨルノさんと詩を巡る旅 その2/ヨルノテガム
 
下車していゆく人間たちの孤立を描き出している 真理とは 生きる者たちの孤立や孤独 であるのかもしれないが 残された者たちは鑑賞者も含めて また再び人間の関係する偶然性や 人とふれ合うことで起こる不思議な偶発性のなかに帰っていくことになる
それを踏まえて 全編を通して思い浮かぶことは 伝説の娼婦(パスミルダ)を夢見る少女の屈託のない天真爛漫な笑顔、そしてその理想を実行してゆくエネルギー、エネルギーに当てられていく、巻き込まれていくその他の人間たち、の絡まる糸のような運命であった その中で親友をなくした主人公の少女は 以前の少年のような顔からセックスを重ねて束の間 女らしい丸みを帯びた色気と母性を備
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