ギフト/吉岡ペペロ
 
ともとよく考えるたちだった
でもユキオのそれはいつもヨシミの思考や感覚とは一体ではないような気がしていた
さいきんヨシミがユキオの思考や感覚にじぶんをまかせて追っているようなことが増えた

小鳥という商品、カラスという商品、車という商品、ヨシミという商品、みんな誰のものでもなくて、じぶんじしんもじぶんのものではなくて、商品なんじゃないかな、ギフト商品なんじゃないかな、

だれへのギフト?

さあ?

だれからのギフト?

かあ、

ヨシミはお風呂に入るまえアイロンすることにした
お父さんももうすぐ帰ってくるような気がした
ヨシミはアイロンしているじぶんが好きだ

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