誰も嗅いだ事のないいかがわしい臭い/ホロウ・シカエルボク
れいな身体してやがるな
と
男は思った
その仕事についてまだ間がなかったのかもしれなかった
そしてそのキャリアは永遠に更新されることはない
排水溝に血が流れていた
ここらあたりの排水溝にはきちんとした蓋がついていたので
そこに流れているものを誰かが咎める心配はなかった
動かなくなった所から
ふたたび俺は書き始める
逃げた熱がまた指先を騒がせて
閉じかけた目がまた次の展開を欲しがる
90分で女の身体をそこからすっかり消してしまうと
路面を掃除して消臭剤を振りまいた
たいていの臭いは消えてしまう強力なやつで
そこらですぐに手に
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