誰も嗅いだ事のないいかがわしい臭い/ホロウ・シカエルボク
はミック・ジャガーとそんなに歳が違わなかった
その歌を聴くと
いつでもミックの声を探してしまう癖があった
さらに三つの言葉が死んで
俺はひとつのフレーズを反復する
そして新しいフレーズが駆けだすのを眺める
植物の交配を試しているみたいなスタンスでそうしている
植物の交配を試してみたことなんか一度だってないけれど
お前はいつだって初めから
言葉というものを捨てている
肉体以上に語るものはこの世にないのだと
そう信じているみたいに見える
だからそんな風に解体されちまうんだ
祈りすら捧げられることもなしに
血と
どこかひやりとし
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