六月にはなにも書けない/ホロウ・シカエルボク
てた頃もあったかもななんて
恥ずかしくなって頬を赤らめる
必然や偶然について熱くなって語ることくらい
書いてるものにとって恥ずかしいことはないのだ
本当は
躍起になってるってことは
まだストライクが取れないぐらいの腕だってことさ
六月にはなにも書けない
だいたいが同じ姿勢で長く座ってることすら出来ないのに
そのうえだらだらと書いたりすることなんかやりたいと思うわけがない
膝の裏に溜まる生温い汗ほどに
人間をいらだたせるものはない
なのになぜ
なにを俺は意地になっている
納得して眠りたいのか?
たかだか一〇〇〇や二〇〇〇の文字で
俺の今
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