わたしの願い/はだいろ
地方の映画館で、映画を見た。
素直な青春映画で、
批評家には馬鹿にされるだろうけれど、
わたしは好きだった。
客は、わたしひとりだった。
もし、わたしがその街へ、
出張で行かなければ、
その映画館は、
この青春映画を、誰も見ないスクリーンに向かって、
カラカラと映しつづけたのだろうか。
その映画を待つあいだ、
同じ階の洋食屋で、
ランチを取った。
すると、その店の制服をまとった、
新人さんが、お水をたどたどしく運んできた。
なんて可愛いのか。
わたしはこころから、
その子の可愛らしさに、こころを撃たれた。
750円のランチを注文した。
女の子の
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