誰かの葬送/ホロウ・シカエルボク
 


知られずに死んでいった
ひとたちのことや
恐れずに失った
ひとたちのこと
果たせずに手放した
ひとたちのことや
踏み出せず諦めた
ひとたちのこと
ひとことに
墓標と
呼んでしまえば
それまでのことだが


新聞の一面に
幾つものブルース
魚たちが道を誤り
渇きながら変わってゆく
うろこははがれて
舗装された路面に落ち
言うべきではなかった言葉をかたちづくる
たとえば
ぼくはあなたにはなれない
とか
そういったような意味のない言葉のこと


訃報がたくさん並んでいて
そのうちの半数が

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