真夜中、もやのように消えた昨日までとハエトリグモの文学性に関する考察/ホロウ・シカエルボク
すべてのものが途切れた
俺は寝床で
もやのような昨日までが
流れてゆくのを眺めている
あらゆるものの
スイッチを落とした部屋は
空気の音だけが
反響して
明かりを欲しがる虫が
窓にぶつかる
リードにイラつく犬が
道行く誰かに吠えてる
浴びるほど酒を飲んだ
誰かが低く呻いている
そういったことは
すべてここから少し離れた
公園の中でいつも起こる
すべてのものが途切れた
今は真夜中で
時間などただの
目安でしかないと思える
生きているか生きていないか
読み損ねた本の
拗ねたよ
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