滝業/森の猫
もうここでバテバテ
できるのだろうか?
山のそばを 食べながら
無謀な行為を思う
宿のひとの話では
直前に決めてもよいとのこと
気楽に出てきてしまった
夕食の時点では
まだ 決意ができてなかった
でも 宿主の宮司さんと
色々 自分の話をしているうちに
”あたし 明日 滝業やります!”
と 口走っていた
決まっていた 滝業のお客は
男性ばかり4人
女性は あたしひとりだった
朝 暗いうちに
広間で太鼓がなる
業に出る前に
朝のお勤めをするのだ
いよいよ
ズックの紐をかたく結び
滝のある山道を30分
歩く
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