穀雨/千波 一也
の色味を捨てている途中
それは
さながら
新しく燃えるための準備のようで
わたしは
わたしの恥ずべき饒舌に
さよならをしようと
空を聴く
侮蔑や
ねたみや
ののしる言葉を
こころ静かに
確かめながら
ちいさな緑に憩うしずくは
その身にかなう分だけを
映している
かしこい呼吸はそうやって
耳を
すませば
すぐそばにある
すぐそばで
無数に
降る
天気予報が
あしたは雨だと告げていた
きょうのわたしの足跡が
きれいに運ばれる絵を
鳥の背中に
わたしは
乗せて
微笑みかたを
思い出す
終わらな
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)