明方、その暗がりに/ホロウ・シカエルボク
世に取り残されてる
ヒトの言葉を話す鳥を連れてきて
世界は入れ替わったのだと執拗に教えてくれ
歪んだ文字盤の時間を読んだが
それが何時ぐらいなのかは一向に判らなかった
判らないことの向こうに真実があるのだ
それはいまに始まったことじゃなかった
画鋲の隠れた水を放つ
洗面台で果てしなく顔に水を当てろ
いつだって痛みが無くっちゃ
人は正気になんかなれないもの
そしてそれは
比較的まともなひとつの側面、としか
言い切れない程度の正気だ
オレはそれを理解している、だからオレは至極まとも
オレはそれを理解している、だからオレは至極まともだ
朝焼
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)