壊れもの/千波 一也
 
理由が
なんとなく見えるような
気がするよね


おっと
長いこと話し込んでしまったけれど
こんな長話をするのも
きみが相手だからさ
普段は味方が少ない分
大きな海には
抗えないのさ

いや、
味方は欲しいよ
だからいつだって強がってる
相手の反応を見ながら
言葉を選んでる
キリキリと
胸の
ずっと奥が
軋む音を
聞かないふりで
日常のこととして言い聞かせながら
なに食わぬふりで


ぼくは
きみの子どもになれる
むしろならなくてはいけない
根拠はきみの
やさしさであるし
呼吸のためでもあるよ

だから
どこにいたって
ぼくを
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