旅記 '04 / ****'04/小野 一縷
催淫性のストロボが目蓋の裏に 激しく点滅
スネアに擦れる煙いブラシ音が導く 長大な脳内神経回路
毎時初期化される0と1からなる情報伝達組織の反乱
ミニマムなディスソリューション
自意識は所詮 物知らずの警官だ
自我はたかだか 頭の硬い官僚だ
どちらも裏取引と 黴臭い仕来りに守られて
権力操作を盾にする 巧妙精緻な権力者
こいつ等はいつだって 自由を求める脳内暴徒の宿敵だ
脳皺を刺激し続ける
羽ペンの先端より鋭利 注射針の銃口より微細な 物質で
何度も 何度も ただ 繰り返す
そして 遠く 微かに 見える
覚醒と酩酊の波間に漂う 真理の蜃気楼という
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