旅記 '04 / ****'04/小野 一縷
に
信心という黒い業火で炙られ 高々と掲げられているじゃないか
異端の心を 敬虔な心で 誇らしげに 辱めていやがる
ナーコティックな視線が 舞う
石のように硬く実直に 中空を 舞う
その舞踏を 笑う 怜悧な狂笑 道化師のそれで
壁に描かれる 見覚えのない顔 その無言が
おかしくてたまらない
ほら その顔 それ そのこけた頬 その円らな瞳
その 緊張した 艶の無い唇の結び方
痺れとは 正確に 言うまでもなく電動だ
なんという震えだろう 指が手が 微細に
振動する この娯楽を 満喫する
これは 悦楽だ
その悦び 一連の身体反応を 試行錯誤により言語
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