旅記 '04 / ****'04/小野 一縷
そこに舞う 透明な粉塵を何度も吸気し 青ざめた煙塵を幾度も排気する
暗黙の羽ばたきは 連続する
黙示が発する 静寂の重量を 燃料にして
私は燃焼する
内の肉から 表の皮までも広がる
流れる黒い炎の乗り手 黒ずんだ血液が
全身を 熱く 甘苦く 焦がして 疾る
紺色と 緋色の 血管
蒼い炎と 紅い炎が 絡み合う
その二重螺旋を 密に 紫に 捩じれさせる熱量は
体外で 解れる黒煙の 指向性を定める
目蓋を閉じ 黙し その狼煙の意味を
ずっと 言葉で追う 追い詰める
一つの星が死んで 星座の壷が欠けた
瑞々しく こぼれ落ちてくる 星の屑が
大
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