途中経過/ホロウ・シカエルボク
 
ている人間ではないから
靴を履いて外に出掛けた
どこに行く当てもなかったけれど
どこにも行き着かない考えを遊ばせているよりは遥かに建設的だった
書きかけのフレーズはポケットに忍ばせた
まだ太陽が空にあったので
後雨なんて嘘だろうと鼻で笑い飛ばした
降れば降ったで太陽があったことをキレイに忘れるのだ…おっと
安い文学少女が書くみたいな
安いポエムに仕上げたりなんかしないぜ、こんないっときの気分なんて
どこの誰にも槍玉にあげられるような大層な事じゃない
生まれてこの方ウンザリするほど目の前を通り過ぎてきた
妙に現実的なまぼろしのひとつに過ぎないさ
交差点に立って
昔大きなシ
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