途中経過/ホロウ・シカエルボク
 
なショッピングセンターだった更地を眺めた
なにもないってことが一番確かなこと
ほんとはいつだってそんなものしかなかった
青に変わる信号に従って歩みを進めたけれど
どこに行こうとしているのか依然として分からなかった
街の外れの河のほとりの
汚れたベンチに腰を下ろして
書きかけのフレーズに幾つも手を入れながら
やろうとしていた方向に駒を進めた
脚をなくしたみたいな気分でも
先に進むことは容易なことなのだ―とりわけこういう種類の試みではね
ひとつふたつなくした気分でいる方がラッキーなことだってある、だけどもちろん俺はそんなこと重要だとは考えはしないし
誰かにそんな話をこんこんとす
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