ないよりマシ/ホロウ・シカエルボク
 
といい
お終いに近づくけれど
それはお終いってわけじゃない
お終いのような場所に近づけば近づくほど
ああまだなにも終わってはいないのだとそういう気分になる
はっきりすることが増えるのは幸せなことさ
はっきりすることが増えるのは幸せなことだ
それは定められないまま
静かに追いかけるみたいな指針だ
眠気とこめかみに食い込む頭痛が一緒にやってくる
このまま仰向けでじっとして
どちらかが居なくなるのを待つのが最上の策ってもんさ
風で窓が時々揺れる
寝入りばなを狙ってそいつはやってくる
様々な見過ごしのもとに過ぎたこんな一日の幕引きを咎めるみたいに
[次のページ]
戻る   Point(1)