ないよりマシ/ホロウ・シカエルボク
流行歌みたいに進展を求めて逸っている
知らない、進むことや留まることや退くこと、それだけが
意味を求める物差しだとは少しも思わない
そんなに褒められた一日じゃないことだけはどうやら同意だけれど
それだけがあらゆる価値を決めるような物差しだとは…
これから夏が近づくほどに眠りが浅くなって
寝返りが増えるだけの夜にいったいどんなことが出来るだろう
東へ向かいたいのに
西へ走っているような気分になることが時々ある
それがもしも本当にそうだったとして
いったい意地はそれからの爪先をどちらの方角へ向けるだろう
そしてそれは果たしてどちらの方角が正しいのだろう
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